私は英語が話せないにもかかわらず、外資系企業への転職をして、その後10年同じ企業で勤務を継続しています。Googleに代表される地頭を試されるような面接も経験しましたが、あまり経験したことがないユニークな面接にいくつか遭遇したことがありますので、今回はそちらを紹介いたします。
外資系企業への転職を検討されている方は、是非ご一読いただければ幸いです。少しユニークなので、あくまでご参考までに。
こんなことがわかるようになります
- 英語が苦手な人が挑戦した外資系企業の面談での実体験
- 英語が苦手な人が、外資系企業の面談をする際に心得ておくべきこと
英会話恐怖症時代に出くわした、外資系企業のユニーク面接
私が外資系企業の面接に初めて挑戦したのは10年以上前に遡ります。TOEICは780点ほどでしたが、何も話せないに等しい状況でした。そこそこのスコアだったので、いくつかの外資系企業の書類選考を通過することはでき、いざ面接のプロセスに進むことになります。
当時の私の面接での一番の懸念点は、面接が英語で行われるかどうかということです。ここでは実際に私が遭遇した3つのユニークな面接での実体験を紹介します。
具体的な社名は控えさせていただくことをご了承ください。
1.外資系大手化粧品会社のデジタルマーケティング担当に応募した際の実体験
実体験
こちらの案件は、エージェント経由で申し込んでいたので、事前に担当者に英語面接はないことを確認したうえで、一次面接に臨みました。
相手の面接官はマネージャー1人で、最初の20分ほどは和やかな雰囲気でこれまでの仕事の成果や、入社後にどんな貢献ができると思うかといった話題で盛り上がった実感がありました。
面接も終盤に差し掛かった頃、面接官はTOEICのスコアを確認し、英語は話せるのか確認してきました。
私は本当に全く話せなかったため、素直に「話せません、ただ英語の勉強はしていますし、今後も継続していく」と答えました。
面接官はさらに追い込みをかけて、もし入社したらどんなことをしたいと思っているのか、英語で答えて欲しいとリクエストされました。
・・・・・・
精一杯がんばったつもりなのですが、英語で答えることは全くといっていいほどできなかったのです。醜態を晒してしまったと感じています。そのまま面接は悲壮な雰囲気に包まれ終わることになります。
当時の私は、英語での面接はないという事前の約束があったのになんで?という苛立ちを感じながら帰り、エージェントにも不満を口にしてしまったことを記憶しています。当然、次の面接に進むことはありませんでした。
反省
今になって振り返ってみると、面接の終盤で簡単な英語での受け答えを求めるのは、英語での面接には含まれないのでしょう。これはどのくらい準備をしたうえで面接に臨んでいるのかを試しているに近しいものだと、今では感じています。外資系企業の面接を受けるのであれば、最低限求められる可能性のある質問への回答内容くらい、英語の面接ではないという前提確認があったとしても対応できるような人材ではないと、入社後の活躍は期待できないと考えられたのかもしれません。
とはいえ英語面接ではないというエージェント経由の前提が、人事部門だけで止まっていて担当部門に伝わっていなかったという可能性や、担当部門まで伝わっていたが、担当者がエージェントとの約束事を軽んじていたという可能性も高いと思っています。
2.外資系アパレル企業のデジタルマーケティング責任者に応募した際の実体験
実体験
こちらの案件もエージェント経由で申し込みました。一次面接は人事担当者の方で、差し障りのない一般的な質問に日本語で回答しました。無事に通過したのですが、次はいきなりの最終面接です。
というのもこちらの企業はアメリカが本社で、日本支社はアジアパシフィック地域の一部に含まれており、日本を統括している方は普段は韓国にいらっしゃる状況でした。その方が来日した際に面接を行うため、タイミング的に二次面接が最終になるとのことでした。こういった珍しい展開も中規模以下の外資系企業によっては、ありえるプロセスのようです。
最終面接は、資料の作り込みがOKとなっており、「これまで経験してきたことを活かして、入社後どのように貢献できると思っているのか」をプレゼンして欲しいという内容でした。
私が英語を話せないことは、先方の人事の方も理解してくれていたので、最終面接時には通訳の人を用意してくださることになっていました。
いよいよ最終面接の当日、面接が行われる社長室に向かう際に初めてオフィス内を歩くことができたのですが、人事担当の方以外の社員が全員ギャルだったんです。そして社長室に入り、紹介された通訳の人もギャルでした。
見た目で判断してはいけないということは重々承知しているのですが、最終面接を通過した場合に、同僚の方とうまくやっていけるのか不安になったことを覚えています。
私、ここで働けますかね?
最終面接直前で混乱がすごかったのですが、やり切ることが最優先事項です。私がパワーポイントの資料をもとに日本語でプレゼンする内容を、通訳の方は丁寧に英語に訳し、社長に説明してくださいました。
はい、すみませんでした。。。。。。
やはり人を見かけで判断してはいけませんね。彼女はとてもプロフェッショナルだったのです。私のプレゼンへの社長の反応はとても良く、質問内容もプレゼン内容の深堀りが中心で、全て通訳の方を通してのやりとりだったので、最後まで堂々とやり切ることができました。結果、内定をもらうことができました。しかしながら、入社後の社長および同僚とのコミュニケーションの懸念を払拭することができなかった私は、内定を辞退しました。
反省
中規模以下の外資系企業に応募する際には、必ずどんな人が働いているのか、どんな雰囲気なのかを一次面接の際に確認しておく必要があるなと思いました。
また外資系企業の面接に関わらずですが、自身を持って堂々と自分の実績を伝えるということは非常に大切だと感じました。話す内容だけではなく、顔の表情、ボディランゲージが与える印象は、とてつもなく大きいのだと思います。特に私は英語で直接伝えることができないというハンデを背負っているので、言葉以外で与えられる印象を最大限良くする必要があるなということを実感しました。
外資系企業の面接では、謙虚さをアピールする必要はなく、自身を持って語ることのできる実績があるのか、またそれを次の職場でも適用する方法を説明できるのかが決め手になると感じました。
3.外資系大手IT企業の営業職に応募した際の実体験
実体験
こちらの案件はエージェント経由ではなく、某サイトに登録していたら直接スカウトメールが届きました。人事担当者との電話面談の機会をいただき、私の方からは「現在どんな業務をしているのか」を説明したり、人事担当からは「該当ポジションの業務内容の説明」をしていただきました。
次が一次面接となり、オフィスまで伺い、該当部門の部長職の方との1on1になります。会議室に入ってきたのは、見た目がシュワルツェネッガーに似ているムキムキの海外の方でした。
終わった、、、これは英語で面接だな
ところが彼は日本語ペラペラだったのです。やはり人を見かけで判断してはいけませんね。特に内容のない他愛もない会話をしていたら、30分の面接が終わってしまいました。
あれ? 私なにかアピールできましたっけ?

ゆーぞうさんのこと気に入ったから、面接通しておきますね。
あと英語の面接も終わったことにしておきます。
えっなんで!? 一言も英語話してませんけど?
とりあえず、めちゃくちゃ驚いたのですが、これで一次面接は本当に通りました。
続いて2週間ほどしてから二次面接です。二次面接は、一次面接のときの部長と、現場でエースとして活躍中の方との2on1でした。この面接ではちゃんした中身のある内容が繰り広げられました。「最近はどんな仕事をしているのか」「最近のITやデジタルマーケティング界隈で気になっていること、そのことに対してどんな考えを持っているか」などです。ここらへんの内容をお互いに熱量を持って30分ほど語り合い、こちらの二次面接も難なく通過しました。
次も2週間ほどしてから最終面接です。最終面接にあたっては事前に課題が与えられます。資料の持ち込み前提で、「これまで経験してきたことを活かして、入社後どのように貢献できると思っているのか」をプレゼンして欲しいという内容でした。
この前の会社と同じ課題だな
ということもあり、こちらの会社の最終面接でも自身を持ってプレゼンをやり切ることができました。最終面接の面接官は、二次面接の際の面接官お二人に加えて、担当役員の方も同席されていましたが、特に奇をてらった質問をされることもなく、最終面接も余裕で通過できました。
最終的に年収や条件等が整理されたオファーレターにサインし、こちらの会社に入社することになり、その後10年以上経った今でも働き続けています。
反省
結局、何が決め手となり採用してくれたのかを面接官には直接確認していないのですが、人事の方曰く、雰囲気、質問に対する受け答え、プレゼンを面接官の皆さんが絶賛してくれていたとのことでした。大変光栄なことです。
入社後に冷静に分析してみましたが、広告代理店に勤めていた私の経験が魅力的に映ったのだと思われます。外資系IT企業は他の外資系IT企業からの転職してくる人が多いので、私の経験がとても貴重で、会社や部門が重要視しているターゲットに効果的な人材だと見なされたのでしょう。
とはいえ全く悪い気はしません。需要と供給で成り立ってるのが、この世の中ですから。
まとめ
転職してから10年以上が経ち、今では面接官を担当することもあります。外資系企業の採用する側の背景は「外資系ならではの採用トレンドや特徴3選」で整理しているので、是非ご覧ください。
それにしても入社してみると、外資系企業であっても意外と英語を話せない社員が多いんだなというのが印象です。帰国子女レベルで英語ペラペラな人は2割ほど、頑張れば英語でコミュニケーションとれる人は3割ほど、半分くらいは英語苦手な印象です。英語ができずとも、外資系企業への転職にチャレンジする価値はあります。
では今回のブログのまとめです。
- 英語ができなくても、最低限の英語での受け答えの準備はして臨む。ただし背伸びはしないように。
- 面接はお互いの相性を確かめる場です。もし通過できなかったとしても、変に落ち込まずに前向きに。
- 転職の面接は「運」と「縁」とも言えると思います。面接ではなく、面談のような姿勢で取り組んでくれる企業や面接官が素敵だと思います。慌てて転職先を決めるのは危ういです。
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